研究の背景 |
食品の持つ役割には、第一次機能としての栄養性、第二次機能としての嗜好性、さらに第三次機能としての生体調節作用(生体防御、恒常性維持、疾病の予防と回復)があり、近年食品の第三次機能が注目を集め、健康志向ブームにも乗じ、いわゆる健康食品として食品の機能性を利用した製品が広く一般に受け入れられている。生活習慣病に対する食生活の影響の大きさが一般に理解されるにしたがい、ここ数年、健康食品、あるいはサプリメントが広く受け入れられるようになり、その市場規模も成長し続けている。
2003年に総務省発表した調査結果によると日本の高齢者の割合は19%にまで上昇し、20%の大台を目前に控えた「超高齢社会」時代が現実のものとなった。高齢化に伴い、国民の健康への関心は高まる一方で、健康増進、疾病予防、生活習慣病予防対策として何らかの効果を期待し、いわゆる健康食品を摂取する人が増加している。2000年の厚生労働省の調査によると、健康食品を摂取したことがある人は40%を超えており、国民の健康志向への意識の強さがうかがえ、これに比例して健康食品の市場規模もこの5年で2倍に成長した。それに伴い、効果が明確でない“まがい物”の健康食品も数多く出回るようになり、厚生労働省は2001年に保健機能食品制度を設けた。これにより、安全性と有効性を考慮して設定された規格基準をクリアした食品のみが保健機能食品として認定されるようになった。保健機能食品は特定保健用食品と栄養機能食品に分類され、特に特定保健用食品の認定を受けるには、その機能の有効性と安全性などを科学的な根拠に基づく審査を通過する必要がある。
研究内容 |
参考文献 |
プレス発表 |